2015年11月12日
ワクワク感

その時のメンバーは、それほどヨット経験がなく、それでもボート雑誌の新艇インプレッションを書く人だったり、台湾から鹿児島までシーカヤックを漕いだ人だったり、元レーサーだったりと、ツワモノばかりでした。
私が一番年下で、船長は20歳くらい上の人でした。普通こういった時は、船長がいろいろ命令を下して動く上下関係となるのですが、この時のメンバーはそれぞれが楽しく自分の得意なことをやって、誰かが困っていたらすっと助けるということを自然にやれる人たちでした。
出航間際で、エンジンを止めているジョイントが壊れたのですが、このメンバーだったらなんでもできるという感じで、納期がかかるメーカー純正部品を使うのではなく自分たちで工夫して直しました。それを見た私の知り合いが「俺だったら行かない」と言ったのですが、逆に皆はその知り合いとだったらいかないという感じでした。
航海中は、いい歳した大人が満月を見て口をあんぐりあけてボーとなったり、夜光虫で体が輝くイルカが船の横を並走するのに叫び声を上げたり、釣り上げたカツオをタタキにしてうまいね~と笑いあったり、もちろん沖縄に行くという目的はあったのですが、みんな瞬間瞬間を楽しめるメンバーでした。
笑えるのは、航海が終わって話したときに、みんな何かあっても自分だけは生き残ると思っていたことです。(実際屋久島の近くで、荒れた黒潮の海はほとんど洗濯機の中にいるようでした)昨年の夏、そのメンバーが遊びに来て僕が買った船の進水式をやってくれたのですが、ほんのわずかな時間でしたが一緒に船に乗れてとてもとても嬉しかったです。

今でも私の中では、こういう集団が理想です。誰かがトップになって命令を下すのではなく、それぞれが楽しみながら自分のできることをやって、誰かが困っていたらすっと助ける。
なかなか中学生と私の関係では難しいかもしれませんが、今では大学生となったわらびやを卒業したメンバーとだったらそれが出来そうな気がします。
ここ数年、私の頭の中には常に原発問題や日本の行く末が重くあったのですが、最近は船で航海に出ている時のようにワクワクする感じがあります。
古代に人類が世界中に広がっていったのは、獲物を求めてということ以上に、あの丘の先には何があるんだろう、あの海の先には何があるんだろうという探究心というか、ワクワクする心というか、そういうものがあったのではないかとそのメンバーで話したことがあります。
これからどんな展開があるのか、とても楽しみです。フェリーの横を行くヨットを見てそんなことを思いました。
Posted by sakata at 07:16│Comments(2)
│2016年 わらびや4期
この記事へのコメント
大人のワクワクいいですね。またいい仲間だ。うらやましい。わたしもワクワク大事にしています。ちの
Posted by 京都の跳ね馬 at 2015年11月13日 16:10
昨年いろいろあって、自分の中のああしなければ、こうすべきだ、みたいなものがずいぶん抜けました。そのうちにこのワクワク感がよみがえってきました。単に車を運転している時でも、楽しくてふっと笑いがこみあげてきたりします。
この前高速で前を走るバイクを見て、またバイクに乗りたくなってきました。カブでもそれなりに楽しいんですけどね。RZ250Rの最終型が放置されているのを見たので、こんどゆずってくださいって紙を張り付けようと思っています。
この前高速で前を走るバイクを見て、またバイクに乗りたくなってきました。カブでもそれなりに楽しいんですけどね。RZ250Rの最終型が放置されているのを見たので、こんどゆずってくださいって紙を張り付けようと思っています。
Posted by sakata
at 2015年11月16日 04:51

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