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2014年03月19日

キャンプ中止のお知らせ

私は沖縄に来る前にタイのパタヤという所で船を作っていました。パタヤは、もともとベトナム戦争時代にアメリカ兵の慰安地として作られた街で、世界一俗悪な街ランキング1位を十年連続でとっていたとか。街中の数えきれないほどあるバーのカウンターの向こうではたくさんの女性たちが裸で踊っていました。

沖縄に来て最初に住んだのは、神の島と言われる久高島でした。そこは男は海人(ウミンチュ、漁師)女は神人(カミンチュ、祈る人)と言われ、その祈りの一つに、大漁祈願というものがありました。島では上の世代がたくさん魚を獲ったおかげで収入を得て、家を建てることが出来ました。しかしその結果海の魚が少なくなってしまいました。(もちろん海の魚が少なくなったのはその理由だけではありません)

実は私たちは今同じことをやっているように思います。地球の財産を食いつぶして豊かな生活をしています。地球の財産というものは、今を生きる私たちだけの物でなく、ほかの生物の物でもあり、未来の子孫の物でもあります。それを奪ってしまった。その象徴に原子力発電があると思います。放射性物質によって傷つけられた遺伝子は、子から孫へと繋がって病気を引き起こしていきます。その廃棄物の処理に関しては未来の世代にまかせようとしています。そしてその原発で今の私たちが豊かな生活をしています。

だから本当は、政府や首相や東電が、原発が悪いわけではないのです。私たちが悪いのだと思います。日本人の今の生活を全世界の人がしたら地球が2.5倍必要なのだそうです。それなのに、なお豊かになろうという願いがあるのはなぜなのでしょうか。

大漁祈願をする必要はありません。本当は豊かさを感じ取るだけなのです。自らの豊かさにありがとうと感謝するだけなのです。そうすれば、周囲の人に豊かな気持ちを分け与えることが出来、周囲の人は自らの豊かさに気がつくことが出来きます。沖縄のおじぃ、おばぁが金銭的には貧しくてもカメカメ攻撃(食べなさい、もっと食べなさい)をすることに、人々が魅かれるのはそういうことなのだと思います。

だから、世の中で起こっている問題を解決しようと思ったら、まずは自らが、全ての人に、全ての物に感謝して、生活することなのだと感じています。それが、子孫の未来を返すことになるのだと思います。

こう書きながら私自身まだまだ感謝が足りていないようです。ついつい子どもは社会的に後輩という目で見てしまうのですが、それと同時に子どもたちはまだ生まれていない子孫たちの代表なのだと感じています。
私の中で子どもたちに対して「育てる、助ける」という意識のほうが強く、子どもと一緒に「学び合う、むしろ子どもたちから大切なことを教えてもらう」という意識、当たり前のことをしているという意識が体中には満ちていない気がします。

そうした理由と、応募人数が少ないこともあり今回のキャンプは中止となりました。気にかけてくださった方々には大変申し訳ありませんでした。ただありがたいことに渡嘉敷わらびや時代の中学生が一人来てくれることになっていて、いろいろ二人で試してみたり、意見を聞いて、はじめの一歩を二人で、そして見守ってくれる周囲の人々とつくってみたいと思います。


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この記事へのコメント
はじめまして、キャンプ中止と知りコメント致しました。大自然に癒され 鍛えられ その1人の中学生が一回り大きくなり 自分で考えで、新しい春を迎えられるよう 遠い地からお祈り致します。
Posted by M at 2014年03月23日 17:21
コメントと、お祈り大変ありがとうございます。杜を切り開くときに、私を切る以上に大事なことをするならばいいよ、と一本一本の木に言われたような気がして、出来る限り手ノコで切ってきました。まだまだ足りないのですが、少しづつ周囲の状況は、スタートを切らせてもらえるようになってきたと感じています。

中学生は、山にいて世間に疎い私に様々メッセージを持ってきてくれました。同じく、少しづつスタートしているように感じます。お見守りくださいましてどうもありがとうございます。

Posted by sakatasakata at 2014年03月25日 21:55
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